「ビール」「発泡酒」「第3のビール」
お酒の定義や分類・税率などの基本的な事項を定めた「酒税法」という法律があります(法庫より)。
まず、第2条で“「酒類」とは、アルコール分1度以上の飲料をいう”“酒類は、発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類及び混成酒類の4種類に分類する”と定義してあります。
 1.発泡性酒類:ビール、発泡酒、およびこれら以外の酒類で発泡性を有するもの(その他の発泡性酒類)
 2.醸造酒類:清酒、果実酒、およびその他の醸造酒などの酒類(但し、その他の発泡性酒類を除く)
 3.蒸留酒類:連続式蒸留しようちゆう、単式蒸留しようちゆう、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、スピリッツなどの酒類(但し、その他の発泡性酒類を除く)
 4.混成酒類:合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒などの酒類(但し、その他の発泡性酒類を除く)

第2条では、12.ビールを次のように定義しています。
 次に掲げる酒類でアルコール分が20度未満のものをいう。
  イ 麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの
  ロ 麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の100分の50を超えないものに限る。)
  ※ここでいう“政令で定める物品とは、麦、米、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、でんぷん及び糖類をいう”とあります。

つまり、ビールといえるのは、麦芽を原料の3分の2以上使ってあり、麦芽以外の副原料も上にあげたものしか使っていない、アルコール分20%未満の発泡性のお酒となります。

これに対し、発泡酒は、原料の一部に麦芽または麦を使用している酒類(アルコール分が20%未満のもの)をいいます。つまり、麦芽を使用してさえあれば、麦芽の量には関係なく、また、他は何でも使用できる、ということになります。

これに対し、「新ジャンル」「第3のビール」と呼ばれるお酒は、酒造法では「その他の醸造酒」あるいは「リキュール」に分類される酒類です。

「その他の醸造酒」は、穀類・糖類・その他の物品を原料として発酵させた、アルコール分20%未満、エキス分2度以上の酒類です。
「リキュール」は、酒類と糖類その他の物品(酒類を含む)を原料としたエキス分2度以上の酒類です。
これら2つについて、アルコール分が10度未満で発泡性を有するものは、「その他の醸造酒(発泡性)@」「リキュール(発泡性)@」のように『(発泡性)@』という表示を付けて、特別税率が適用されていることを表しています。

ビールメーカー5社で作っている「発泡酒の税制を考える会」によれば、“我が国でビールの次に愛飲されているアルコール飲料の発泡酒にかかる税額は、小売価格の34.3%に及び、3本の発泡酒を飲むとそのうち1本は税金という計算になります。その内訳を見ると、発泡酒350mll缶1缶の税負担は、酒税(個別消費)47円(29.6%)と消費税(一般消費税)8円(5.0%)で(二重課税)、代表的な小売価格159円の34.3%に当たる55円となっている”そうです。