許容一日摂取量
(ADI:acceptable daily intake)
 ADI(許容一日摂取量)とは、ある物質について人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとしても、安全性に問題のない量として定められるもので、通常、一日当たり体重 1kgあたりの物質量(mg/kg/日)で表されます。ADIは食品添加物、農薬等の安全性指標として用いられています。
 よく似た言葉に、TDI(耐容一日摂取量:Tolerable Daily Intake)というのがありますが、TDIとは、環境汚染物質等の非意図的に混入する物質について、生涯にわたって摂取しても健康に対する有害な影響が現れないと判断される一日当た りの摂取量を指し、通常、一日当たり体重1kgあたりの物質量(mg/kg/日)で表されます。TDIは、重金属等に関する指標として用いられます。(厚生労働省「食品安全情報」より)

 ADIの決定には、まず、ラットやマウスの動物を用いた慢性毒性試験などの長期毒性試験の結果の中から最も低濃度でも影響の見られる試験を選び、その試験で影響のみられなかった投与量(無毒性量/NOAEL:no−observed adverse effect level(mg/kg/日))を求めます。この値は動物試験による結果であることと人においては個人差があることを考慮して、安全係数を100とし(人と動物の種間差として10倍、人の間の個人差として10倍とし、これらをかけてあります)、無毒性量を安全係数で割ってADIを求めます。

 このADIに日本人の平均体重(53.3kg)をかけることにより、日本人1人当たりの摂取許容量となります。なお、この値が農薬の残留基準を設定する際のもととなります。。