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 土壌肥沃度診断技術(SOFIX)について
 SOFIX技術を開発した久保 幹教授の研究室では、物質循環型の農業体系の構築を目指して研究開発を続けています。具体的には、土壌中の微生物を中心とした物質循環を活発化させることにより、土壌中の有機物(バイオマス)の分解(無機化)を促進し、作物の生長につなげる農業技術体系の構築を目指しています。
 物質循環系を基本とする農業体系では、これまでの土壌の化学分析、物理分析に加え、生物分析が不可欠です。堆肥や有機資材から土壌への肥料成分供給は、環境微生物の働きが最も重要な役割を果たしており、土壌中の環境微生物の把握とその活性化、および有機物の適切な投与は、持続可能な物質循環に寄与し、有機農業の安定化に大きく貢献すると考えられます。
 
SOFIX循環型農業の概念図
  久保教授のグループはこれまでに、土壌中の物質循環活性と生物活性を定量的に評価する土壌評価方法である土壌肥沃度指標(Soil Fertile Index)を開発しました。この技術は、頭文字をとってSOFIXと名付けられ、2011年には国内および国際特許として申請され(2013年オーストラリア、2014年日本、中国、およびアメリカで特許成立)、2012年には「SOFIX」の名前は商標登録されています。

 SOFIXは、通常の土壌化学分析(肥料成分分析、硝酸態窒素、水溶性リン酸、水溶性カリウム、アンモニア態窒素、EC値、pH値の6項目)に加え、@環境微生物バイオマスの定量(1項目)、A窒素循環活性の定量(アンモニア酸化活性、亜硝酸酸化活性、窒素循環活性の3項目)、Bリン循環活性の定量(1項目)、およびC土壌中の有機物量(総炭素量(TC)、総窒素量(TN)、C/N比、総リン酸量(TP)、C/P比、総カリウム量(TK)の6項目)の把握等の17項目から構成されており、土壌肥沃度を定量的に解析できる手法です。

 土壌のSOFIX分析を行うことにより、土壌の化学的・生物的状態を正確に 診断・把握することができるため、診断した土壌に対して適切かつ再現性のある処方(堆肥および有機資材の施肥)を行うことができます。土壌中の環境微生物の把握とその活性化、および有機物の適切な投与によって持続可能な物質循環を継続的に促進し、有機農業の安定化および生産コストの削減に大きく貢献することが可能と考えています。
 


 
最終更新日: 2015年4月10日  Copyright:明日の農と食を考える研究会・幹事会